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・・続き4

友 情
   アミティの変わらないもののもう一つは、そこで生み出される友情だ。
 滞在2週間目に部屋替えが行われ、シーナとアレックスがいなくなった。2人がいなくなった部屋は、とても静かで、シーナの大音量もアレックスの散らかし放題も、デブラの脱線する話もいつの間にか心地よくなっていたことを自覚した。
 アレックスは部屋替えの後も、度々部屋に話をしにきてくれた。家族のこと、アミティでの生活のことを話してくれた。そして、休日にはアレックスの父親が作成したネイティブアメリカンのアディクションをテーマとした映画を一緒に観て時間を過ごした。

 そんなある夜、デブラが突然居なくなった。
 就寝の時間になっても帰ってこず、新しいルームメイトと一緒にあたりを探したが見つからなかった。デブラの娘が大学に進学するために家を借りることになり、それを助けたいから、自分の入所のためのお金を返して欲しいとスタッフに話していたらしい。
  
 その日の夜中にデブラは酔っ払って帰ってきた。
 他のスチューデントと同じ部屋には戻れないため、シーナが別の部屋でデブラと一緒に寝ることになった。「ひどい酔い方をしていたけど、無事で何よりだったね」とルームメイトと話した。
 
 翌朝、デブラはミーティングに出てこなかったが、シーナがデブラに感謝を伝えた。「ここにはいないけど、デブラが無事に帰ってきてくれたことに感謝してる」
そして、その次の日の朝のミーティングでデブラはコミュニティに謝罪した。「抜け出して、酔っ払って帰ってきたことを謝罪します」

 こうして、時間と場を共有する中で、静かに友情は育まれていくのかもしれない。集団の中での孤独ほど寂しいものは無い。だからこそ、だれもがつながりを求めている。

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