・・続き2
嬉しい変化
そんな私にとっての救いは、前回の滞在の時にニュースチューデントだった何人かがアプレンティスとしてスタッフ見習いの立場になって残っていたことだった。6人のアプレンティスたちの内、半分を占める彼らとアミティで再会した時は本当に驚いた。
前回の滞在では、彼らはコミュニティにとても反発的で、私が「半年後にまたくるよ」と話した時も、「その時はもういないよ」と断言していた。
入所間もなかった時のブライアンは、ミーティング中にワークブックに落書きをしながら、スタッフのなげかけにもほとんど反応せず、必要最小限のことしか話さなかった。
アニータは、コミュニティの女性の輪に馴染むことができずいつも孤立していた。ジャックは、明るく積極的な性格でプログラムにも取り組んでいたが、いつもハイでどこか危うい雰囲気が漂っていた。
しかし、今回3人に会って、3人の成長ぶりに驚かされた。まずは3人の顔つきや風貌、服装までもがとても穏やかになっていた。そして、ミーティングではリーダーとしてコミュニティをまとめ、誰よりも勤勉に熱心に仕事に取り組み、そして何よりスチューデントたちからの信頼が厚かった。
これも嬉しい変化のひとつだった。
寂しい変化
もう一人、前回からの嬉しい再会を果たしたのが、40代のダニーだった。ダニーは、カリフォルニア州の刑務所プログラムのディレクターを勤めていたが、薬物を再使用し、ツーソンのアミティでスチューデントとしてプログラムを受けながら、小学生の女の子と2人で生活していた。男親が子どもを育てるのはアミティでもとても珍しい光景だったが、彼は娘に愛情を注ぎ、その光景はいつも温かい気持ちにさせてくれた。風貌はこわもてだが、笑顔が素敵で、常にコミュニティを見渡し、全員に気をかけ、明るい挨拶を忘れない人だ。その挨拶で私は何度も救われた。
そのダニーがアミティを離れるという話を聞き、私はダニーに理由を尋ねた。すると、 「ただ、時が来たんだ。いつまでも大きな傘の下にいるわけにはいかないから」と話してくれた。アミティを離れ、別のリハビリ施設でスタッフとして働くとのことだった。
その決断は、少し寂しい気持ちにさせたが、しかし、ダニーにとっても、コミュニティにとっても大事な決断だったのだと感じた。ダニーにとっても、コミュニティにとっても新たな挑戦だったのだ。
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