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・・続き5 治療共同体には、より当事者の思いや居場所を大切にする方法があること、さらに当事者の可能性や能力を引き出す方法があることを知った。 当事者の可能性や能力を引き出す方法であるということと同時に、援助者の新たな援助のあり方であると考えている。それは、自分自身と相手を大切にする援助のあり方だ。援助者として自分の弱さを隠して、強く正しい援助者であり続けることは限界がある。弱さを受け入れ、多くのもの(知識や役割や権威)を分かち合う援助者としていることが、援助者自身にとっても当事者にとっても心地よいあり方ではないかと感じている。 そして、援助者がその専門性とも言える知識、役割、権威を当事者たちと分かち合うことこそ、対等な関係であり、この対等な関係を通して当事者たちの力が育まれていく。 私の今の原動力は、多くのリカバリング・スタッフと同様に、「自分が与えられてきたものを返していきたい」という気持ちだ。AMITYでの実践を伝え、そして実践していくことで、日本で悩み、苦しみ、立ち止まっている人達と、少しでも思いを共有し、導く事が出来ればと願っている。 そして、私のこれからの目標は、デモンストレートできる援助者になること、そして、日本でどのように伝えていく事ができるかを学ぶことだ。 そして、いつの日か、日本でAMITYを実現したい。 知識にも経験にもどちらにも偏ることもなく、当事者も援助者も、リカバリング・スタッフも純粋な専門職も、かかわるもの全員で、人としてどのように生きていくことができるのか、共に考え、時には誰かにそのあり方を示されながら導かれ、そして時には自らがそのあり方を示すことで誰かを導く。 最初の釘をあのハンマーで打てる日を願って。(了) |
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