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第六回目のテーマは「生きていくための方法」
教育ジャーナリストの青木 悦さんとの対話。
   

教育ジャーナリストの青木 悦さんとの対話
- 第2回 -

  
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青木悦さんは、教育ジャーナリストとして、執筆活動、講演活動に大変忙しくしています。ご自身が過酷な子ども時代を体験しています。その生きた体験がベースとなって、常に子ども目線で人々にとても大切なことを伝えています。青木さんは、権力的な大人目線の“しつけ”ではなく、大人は先に生きている者として、子どもに生きていくための術(すべ)を教えるという視点に立つことが必要だと言います。33年間、教育の現場で取材を積み重ね、安心できる家族とは?いじめの背景にあるものとは?と、教育の問題点について、ぶれることなく子どもの立場に立って伝え続けています。
青木さんの生き方そのものが、生きていくための術を教えてくれます。

引きこもったり、親を看病した大学時代
箱 崎 : 高校卒業後は、大学に進学されたのですよね。大学時代はいかがでしたか?
青 木: 引きこもりでしたね。
箱 崎 : それは、これまでの自分を振り返るという作業だったんですか?
青 木: 今思うとそうなりますよね。最初のきっかけは、やっぱり東京に出てきて、何か東京で生きている人たちというのは、自信満々で、きびきびと生きていて、私みたいに、所詮、回復していない自信ですから、どうしようもない私が共にやっていくには、すごい人たちなんだって思っていました。ある種のすごい自信喪失ですかね。
それで、ちょうど私がいた早稲田大学が、学園闘争をしている頃で、大学が封鎖になって授業もない。そうすると、考える時間はたっぷりあるんです。時々はデモにも行ったりしていたんですけれど、別に学生運動に入っていくわけでもないし、だから、本ばっかり読んでいたんです。そうしたら途中から、外に一歩も出られなくなって、四畳半一間のアパートの部屋にずうっといました。布団から起きられなくなってね。
結局、9カ月ぐらいはほとんど学校に行かなかったんですよ。でも、部屋の中で物を食べたりはしていました。ひきこもっている間、ずうっと考えて、本を読んで、ノートに書いてという作業をやりましたね。でも、自分ではあの頃が一番考えたかなと思うんですけれど・・・。
箱 崎 : どんなことを考えていたんですか?
青 木: 人って何だとか、何で生きているんだとか、あのとき私は死のうと思っていたのに死ななかったのはなぜなのかとか、もう、それこそ本当にわかりもしない哲学書なんか買ってきて読んで、本当に生きるって何だろうとか、生きることに意味があるのかとか、そんなことばっかりですよ。いわゆる青春の悩みっていうやつですね。
箱 崎 : そのときは中学のときみたいな、死のうという気持ちとは違うわけですよね。

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