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第六回目のテーマは「生きていくための術」
教育ジャーナリストの青木 悦さんとの対話。
   
・・続き5(第二回)
この人は殴らないと確信して結婚
箱 崎 : あの人とはまあ、少しの会話、挨拶ぐらいはするけれど、そんなに関わらなくてもいいみたいな感じで。
青 木: そうなんです。誰もいないときもあったし。それで、新聞社入って隣に座っていたのが夫でした。夫のやっていることを見ていたら、私とそっくりなばかなことをやっているんです。一人で社長室へ怒鳴り込んで「こんな給料で食えると思ってんのか!」ってやってるんですよ。夫のことを「あのばかが」って見ていたんです(笑)。
「一人で怒鳴り込んだって、クビって言われたらおしまいじゃん」とか。でも、そういう、思ったらバーンと出しちゃう人で。

しかも私たち女に、「あんたたちは何で生理休暇とらないんだ」って言うんです。あっても新聞社で生理休暇なんてとれなかったんですよ。でも夫は、「ちゃんとした権利としてあるのにとらないなんていうのはすごくおかしい」って言うんです。「もう、堂々とそれはとるべきだ」とみんなの前で発言する。それでいて体育会系なんですよ。だから、ああ、こんな人もいるんだな〜なんて思って、そんな夫の発言の基準が、私が言わんとしているところと合ってたんで・・・。

周りが言う基準から言ったら全然違うんだけれども、私の基準には合ったんです。だから、結婚というか、その形はどうあれ、とにかく一緒に暮らし始めて、子どもができているってわかってから結婚しました
箱 崎 : 結婚することに以前は抵抗があったそうですね。
青 木: そうなんです。結婚なんか絶対しないと思っていました。
箱 崎: 家庭を持つことの恐れがあったのですか?
青 木: というよりも、男の人っていうのは、どんなに優しく見えても、いざとなれば怒鳴って殴るんじゃないかって、恐怖心がすごくあったんです。でも、この人は殴らないんじゃないかって思いました。そう思えたのは、男性で夫ぐらいでした。
箱 崎: それまでに会った方は・・・。
青 木: いや、殴られたことは一度もないんですけれどね。
箱 崎: ええ、でも、何となく感じるものがあるんですかね。
青 木: はい、何かそういう感じがちょっとでもあると、すぐ離れました。私の兄は、口では「おれは親父に殴られて育ったから絶対殴らない」って言っていましたが、やっぱり殴っちゃうんですよ。だから、いざとなれば殴るんじゃないかなっていうふうに思って。だから夫と一緒に暮らし始める前に、「私に手を上げたら、その場でお別れですから」って、ちゃんと言っちゃうんですよね。

でも、そのぐらいやっぱり、殴られる、あるいは脅かされるとか、大声で怒鳴るとかっていうのが怖かったんですね。職場でいたんですよ、そういう人が。「女は黙れ!」とかね。もう、そういう人のことは、本当に信じられない。

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