箱 崎 : |
青木さんは、この人は大丈夫だという別の確信を持てたということでしょうね。 |
青 木: |
確信は持っていても、それで100%そうなんだっていうふうに思うなんていうことはないっていうことも、自分で分かっているんですよ。それがやっぱり子どものころの経験の怖さだと思うんですけれどね。
だから、もし、そういうことが起きたらいつでも別れると決めて、そのためにも私には仕事がないとだめなんだって。それで、子どもは絶対自分で育てるって思っていました。だから、よけい収入にしがみついていきますよね。
ところが、収入にしがみついて、私が細々とお金を持っている、夫も働いているっていうときに、夫の方が会社でつらくなっちゃったんですね、組合みたいな中で。それで、「辞めようか」って悩んでいたんですけれど、「子どももいるし」って言って。それで、そのときに私が夫に「しんどかったら辞めたら?」って、「フリーになって何とでもなるよ、食べるぐらい」って言えたんですよ。そしたら彼の方が、「女の人に収入があるというのは、男も自由にするんだね」って言ったんですよ。 |
箱 崎 : |
それは素晴らしいですね。 |
青 木: |
男も家族を背負うという不自由さを抱えているわけだからね。 |
箱 崎: |
そうですよね。今でもそういう考えの男性はたくさんいますね。 |
青 木: |
それはもういっぱいいます。 |
箱 崎: |
そういう家に限ってDVがあったりするんですよね。 |
青 木: |
そうなんですよ。だからね、そういう意味じゃ、私は肩に力の入った生き方を30歳になるぐらいまではしてきちゃったんですよね。 |