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第六回目のテーマは「生きていくための術」
教育ジャーナリストの青木 悦さんとの対話。
   
・・続き8
親友と出会った高校時代
箱 崎 : 高校時代のお話を聞かせていただけますか?
青 木: はい、私は高校は県立の普通高校に行きました。
箱 崎 : 「がんばりゆ」の中学校の先生とは別れたときは、悲しくなかったですか?
青 木: 同じ町ですしね、中学を卒業してからもしょっちゅう出会うんですよ(笑)。朝、自転車通学していると、先生と会ったり。そうすると「元気か」って。「大丈夫です」とか言うと、すごくにっこり笑ってくれて。だから、特に別れるという印象はなかったんですよね。
箱 崎: そうやって会う機会が続くのはいいですね。
青 木: そうなんですよ。その先生が私の通学路に住んでいたので、先生の家の前を通るとき、中をのぞいて出てこないかなと思ったりね。
箱 崎: ああ、いいですね。やっぱり身近にそういう存在がいるというのは。
青 木: そうなんです。
箱 崎: 高校のときに、講演会で話されていた親友の方と出会うのですね。
青 木: はい。長いつきあいで、今、同居しています(笑)。彼女は、本当にお嬢さんでね。後になって本当はお嬢さんじゃないことがわかったんだけど、高校のときはすごくおとなしそうなお嬢さんに見えた。その彼女に父に暴力を振るわれていることを話したら、「そんな親父ぶっ飛ばせ」って言ってくれた。
先日の講演会で精神科医の高岡先生が「お嬢さんの彼女がそう言ったという落差が青木さんにとってはよかったんでしょう」と言って、私もすごくハッとしたんです。親友の言葉で、私は次の段階に行けたんですね。ああ、そうか、ぶっ飛ばしてもいいんだって。
箱崎さんもそのような体験があると伺っているので、よくわかると思うんですけれど、その中に入り込んでいるときっていうのは、相手に抗議するとか、ぶっ飛ばすというのは、すごい距離があるんですよね。
箱 崎: 本当にそう思います。
青 木: そうじゃないところにいる人は、「そんなうち、出てくればいいじゃない」とか、絶対できないことを言うんですよ(笑)。
箱 崎: 出ていくことは健康的な発想なんですけど、そうじゃない家にいるっていうことに問題があるわけですからね、逃げられないっていう。
青 木: そうなんですよ。その親をぶっ飛ばせなんていう発想は、もう私の中に皆無だったんですよ。兄は、大学生のときに父親をぶん殴って、結局乗り越えていったんですけど、私はそれもなかなか、やっぱり女ということでできなかったのかなとも思うし、母からの縛りもありますしね。
箱 崎: 怒りの感情を出しちゃいけないみたいな感じですよね。
青 木: そうなんですよね。怒りを出したときは終わるときみたいなね。
箱 崎: ええ、ええ、そうですね
青 木: だから、本当に耐えてしまうんですね。

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