第一回 第二回 第三回 第四回 第五回 第六回 第七回 第八回
 
1   2   3   4   5   6
 
・・続き6

サンクチュアリ
 私はこれまで、たびたびAmityを訪れ、その度に大きな癒しと気づきを与えられた。しかし、帰国する度に失望もしていた。Amityで感じるサンクチュアリ(聖なる場・安全な場)が日本にはないと感じていたからだった。
 しかし、今回の滞在で気づかされたのは、Amityだけが特別なサンクチュアリではないということだった。

 私は今回の滞在で、自分自身の弱さや恐れ、正直さや真実を知り、サンクチュアリは与えられるものではなく、自分の中に開かれていくものなのだということに気づかされた。
 Amityにたった一人で滞在し始めた当初は、私はまったく自分を閉じていた。そんな私にとっては、あんなに理想だったAmityも安全な場にはなりえなかった。大切なのは、形や場所や仕組みを伝えることではなく、どのように安全な共同体を築いていくことができるのか、自分自身の経験や姿勢で示していくことなのだと思う。

 共感する心・分かち合う心・さらけ出す勇気・向き合う力・支えあう力・正しいあり方を求め示す強さ・受け入れるしなやかさ。
デモンストレートするということは、自分の中にどれぐらい真実の言葉を見いだすことができるかにあると気づかされた。

 自分自身の真実を見いだし、それを「デモンストレート」する中で、サンクチュアリは自ずと創りあげられていくのではないかと思う。
 日本にも「治療共同体」というサンクチュアリはきっと実現できると信じている。

(了)
 
1   2   3   4   5   6
 
   
 
COPYRIGHT(C)2006 ORANGE RIBBON-NET & THE ANNE FUNDS PROJECT ALL RIGHTS RESERVED.