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・・・続き6

しつけ
  日本は「叱る」ことで子どもをしつける文化です。東北大学の脳の研究家である川島龍太先生によると、叱ると恐怖や不安感を司る大脳辺縁系(感じる脳)を刺激し、褒めると「嬉しい」「誇り」などを司る大脳(考える脳)を刺激するので、叱る方が効果的だからだとおっしゃいます。川島先生は文芸春秋に「父の鬼のような形相しか思い出せない」と書いていらして、体罰を含む厳しいしつけを経験なさったようです。

  でも子ども時代の恐怖感や不安感を募る叱られ方は、そこに「激怒」反応を起こし、父親に逆らうことが出来なかった先生は息子たちに同じような体罰を、奥様から泣いていさめられるまでやっていたそうです。

  これは慢性反復性トラウマの再現といって、児童虐待が世襲する所以です。欧米では叱るほど効果的でなくても、子どものよいところを伸ばすように、何かよいことをしたらすぐ褒めてあげることを奨励しています。そうすると子どもは自尊心、自立心が育って行き、失敗を恐れないでいろいろなことに挑戦してみようという意欲が生まれます。

  それでは褒めるだけで、子どものいけないところを見過ごすのでしょうか?そうではありません。子どもの発達に沿った家庭のルールを作って守ることを教えましょう。修復的愛着療法をなさるテリー・レヴィー先生とマイク・オーランズ先生は赤ちゃんが9ヶ月ぐらいまでは泣いて基礎的なニーズ(お腹が空いた、痛い、眠い)を知らせるのでそれには即座に応えてあげることが大切だが、それを過ぎると子どもは「ウォンツ(要求)」を始めるので、その要求を満たすか満たさないかは親の価値観念、理念、家庭内のルールで判断して決めるようにといっています。

  子どもが「甘やかされる」のはこの要求が無制限に満たされるからです。「欲しい」「はいどうぞ」では子どもは「待つ」「耐える」ということを学びません。前述の川島先生が待つこと・耐えることで私たちの脳の司令塔である前頭葉が育つのだとおっしゃっています。前頭葉が育つことで感情の抑制が出来、常識的に物事を見ることができるようになるのです。

  もう一つ、しつけとは「教えることだ」と覚えておきましょう。もし子どもがやってはいけないことを繰り返したら、「なぜOOちゃんはXXをしてしまうのかな?」という質問形式にして、子どもに理由を言わせるようにしましょう。「分からない」といったら、自分で考え付くことを言うか「教えて」と親に頼むどちらかにすること。「教えて」といわれたときに子どもの行動の裏になにがあるか親も考えておきましょう。

  例えば妹や弟が出来たとき、赤ちゃん返りをしたり、赤ちゃんを押しのけるようなことをしますね。「OOちゃんはお母さんをXXちゃんに取られてしまったと思っているのでしょう」など子どもの気持ちを代弁して、「お兄ちゃん(お姉ちゃん)になったのだからママのお手伝いして、そこのオムツを取ってきてね」などと子育てのチームの一員になってもらい、手伝ってくれたら「有難う、本当に助かったわ。XXちゃんが寝たら一緒に遊びましょうね」など、一対一の時間をとってあげましょう。
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