第二回目のテーマは、「依存症と子ども虐待」アディクション・カウンセラーで依存症の回復者の
スコット・ジョンソンさんとの対話です。
   
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続き9・・・

箱 崎 : 一人から始まる、と思うと、希望が持てますね。まず立派な制度がなくては何もできない、というわけではないのですね。もちろん、制度を整えることも大事ですけれど。
スコット: 私の人生でもそうでした。依存症のために、私の人生はメチャメチャだった。そのとき、一人だけ、時間を割いて、私の話を聴いてくれた人がいた。そのときから、私の人生は変わった。それです。それに尽きます。
箱 崎 : 日本はどこから始めたらいいのか、悩んでいますが。
スコット: それはよくわかります。でもそういうところから始まって来たのです。暗黒時代は、そのころ、人口の3分の1がペストで死んだ。どうしたらいいか、みんな大変悩んだ。少しずつ、その問題の対処がわかってきた。一夜にして問題がすべて解決されたわけではない。社会的な変化もそうではないでしょうか。

無知な状態から、理解へ。そしてそれに基づいて行動を取るようになるには、少しずつ、少しずつ。これが問題ではない。こんな話はしなくていい、という態度でみんなが口を閉ざしたら、大きな問題になっていくけれど、口を閉ざしているわけにはいかない、と市民が思い、最初は少数派かも知れないけれど、力を合わせあうときに、真実の力は絶対に勝つと思う。
それはまるで光のような、灯台のようなもの。それを信じて前向きに行くだけだと思う。そして、同じような考えの人を仲間にしていく。
箱 崎 : はい、仲間を増やしていくことで、希望が強化されていきますね。
スコット : たとえば、私とあなたは日本人とアメリカ人で、バリアはあるけれど、あなたと私はいつもどこかでつながっていると感じていました。1年の内に1日か2日しか会えないけれど、でもいつもいいことが起こる。始まりはほんの少しでいい。
箱 崎 : ありがとうございます。本当にそうですね。
 
左からスコット氏、鈴木・ナイト・美保子さん、箱崎
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