第三回目のテーマは、「ドメスティック・バイオレンス」DVコンサルタントで、DVサバイバーの中島幸子さん
との対話です。(前半P1〜P8)→(後半P9〜P15)
   
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続き6・・

箱 崎 : 鋭い勘ですね!『ダギーセンター』を知っていても、DVの仕事と結びついたということが。病院とかホスピスケアならすぐに結びつくと思いますが。
中 島 : 傷ついた心を考えたときに、共通点が多いからだと思います。失うものも多いですし。
箱 崎 : グリーフワークは死別だけではなくて、いろんなものを失った子ども、大人にも必要なプロセスで、それを『ダギーセンター』は丁寧に行っていますね。特に子どもは遊びを通してグリーフをするから、サポートするボランティアファシリテーターやスタッフの大人は、子どものグリーフワークを邪魔しないようにすることをしっかり学んでいますね。
中 島 : はい。あそこで教えている方法自体が、私は大切だと思います。子どもの言動を鏡のように映し出して同じことをする“リフレクション”という技術は、心が傷ついている人が子どもであれ、大人であれ、サポートする側の基準を押し付けるとその人のためにはならない、という考えの下にあります。
特に『ダギーセンター』は子どもが対象だから、そういうことを徹底して叩き込まれる。子どもの絵を見たときに、かわいいとか、太陽だね、と評価したほうがラクです。でもそうではなくて、リフレクションして、子どもと同じことをすることに徹底しています。
箱 崎 : リフレクションは、グリーフの中にいる子どもの存在を受けとめる、という行為なのでしょうね。
私は子どもの頃に暴力のある家庭で育ったので、DVにさらされた子どもでした。やっと最近になって、DVの問題に子どもの視点が入ってきたなと思います。今回の『レジリエンス』の研修も初めて「子どものケア」をテーマに行われましたし。DV にさらされた子どもについて中島さんはどのようなことを感じていますか?
中 島 : 日本ではまだまだ子どものケアは足りていないと思いますね。『レジリエンス』でも子どものケアはしていないのであまり言えませんが、私たちができることとしては、こうした研修をすることかと思っています。
箱 崎 : こころのCare 講座の中で、子どもに与える暴力の影響なども入っていますね。
中 島 : 講座はDVを受けた母親へのメッセージでもあるけれど、自分が子どものときにDVにさらされて育ったという人もいて、どちらの立場に立つかで、受けとめ方がすごく違うと思います。特に講座の中の「パートナーシップ」、「家族1 育った環境」、「家族2 子どもへの暴力の影響」は、一人ひとりがどこの立場にいるかで受け止め方が違ってきます。
箱 崎 : 母親自身が自分の子どもの頃のことを振り返るかも知れないし、親の立場で聞くかもしれないのですね。
中 島 : いろいろな人からいろいろな意見を聞く中で、いろんな受けとめ方をしている人がいることは見えます。
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