第三回目のテーマは、「ドメスティック・バイオレンス」DVコンサルタントで、DVサバイバーの中島幸子さん
との対話です。(前半P1〜P8)→(後半P9〜P15)
   
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続き5・・

箱 崎 : 子どもたちと関わる人は、心が揺さぶられるということを前提にして、自分の問題を見ていく必要があると思いますね。私は自分の体験からも確信して言えます。
中 島 : 子どもに関わる人だけでなく、DVを受けた女性たちを支援する多くの人たちも、自分のグリーフについて見つめる必要があります。DVの問題に関わる人の多くが自分たちが傷ついたから、DVに興味を持って支援する立場になるのですから。そういう人たちが自分の問題と向き合う姿勢をもっていないと、シェルターやカウンセリングの中で二次被害が起きてしまう。

『ダギーセンター』内のグループで分かち合う「お話の部屋」

DVにさらされた子どもへのケアが足りない
箱 崎 : 『ダギーセンター』は、親や兄弟と死別した子どものケアセンターですが、グリーフは、死別体験だけではなく、DVにさらされた子どもや虐待を受けた子どもにもグリーフが必要だということを発想して、研修先に『ダギーセンター』を選んだ中島さんの最初の着眼点はすごいと思います。

『ダギーセンター』のディレクターのジョーンさんは、「死別体験はグリーフの1つに過ぎない。DV にさらされたり、虐待を受けた子どもは、多くのものを失っています」と話していました。

『ダギーセンター』のプログラムは、DVの家庭で育った子どものためのプログラムでも実際に使われていると聞きました。
中島さんは、死別体験をした子どもであろうと、DVにさらされた子どもであろうと、『ダギーセンター』のような遊びを通したグリーフワークが必要だ、という発想はどのようにして浮かんだのですか?
中 島 : ジョーンが言ったように、失うものがすごく多いですからね。DVであろうと、虐待であろうと。でも誰もその話ができなくて、もうちょっと前向きになりなさいとか言われてしまう。
箱 崎 : 早く忘れなさいとかね。
中 島 : そうそう。忘れられたらラクだけど、忘れられないから、これだけ苦しい思いをしているのに、忘れなさいといわれたら余計悪化すると思います
箱 崎 : しつこいようですけれど、『ダギーセンター』と、ご自身の仕事とどのように結びついたのですか?それを最初に企画した際、きっかけになったことはありましたか?
中 島 : 『ダギーセンター』は昔から知っていました。でもどう結びついたのかはわからないです。勘かもしれないです。

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