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HFA運動のはじまり
 新生児家庭訪問支援プログラムは1960年代にコロラド州立大学・大学病院の小児科部長であったヘンリー・ケンプ博士が、子育てが終わった50代の女性を募集して訓練し、子育てに不安を持った若い家族に対する訪問支援を行ったのが最初です。1970年代にはハワイ州が、ケンプ博士をお呼びして、「健康な出発」プログラムを始めました。

 1980年代にはハワイ州全体に広がって、ニューヨークタイムズ紙に「ハワイの訪問支援のプログラムは児童虐待防止に一番効果のある希望の星」と報道して、アメリカ各州から見学者が殺到しました。1990年度の初めに各地で児童虐待防止運動の一環として、色々な団体が新生児の家庭訪問事業を始めました。その成果がまちまちであったので、PCA(児童虐待予防)アメリカという団体が、ロナルド・マクドナルド慈善基金と共同で「健康な家族アメリカ(HFA)」という、家庭訪問事業の質を向上させて成功させるための活動を始めました。

 ハワイでの経験とそれから得た知識などを元に、良い親業を支援することによって児童の発育を促進し、児童虐待などが起こりやすい状況を取り除く研究文献などを集約して、1996年には12の新生児家庭訪問に欠かせない重大原則を打ち出したのです。そしてこれを基にした認可システムを編み出し、1997年度から今までにアメリカとカナダで450以上の事業団体が「高質な家庭訪問プログラム」としてHFA の認可を受けています。オレゴン州の健康な出発も2007年に認可を受けました。

HFA の12重大原則
 日本における「こんにちは赤ちゃん」運動と、「子育て支援家庭訪問」が成功を収めるように、ここにHFA の12重大原則を紹介したいと思います。

重大原則第1:家庭訪問サービスを誕生前か誕生時に開始すること。
この時期の親は誰でも育児に対する不安があるので、育児の情報や支援を一番受け入れやすいし、このときに親のニーズに応えることで長期にわたる信頼関係が築けるとして、オレゴン州でも産院や保健所から照会された家族には誕生前からサービスを実施しています。日本における「こんにちは赤ちゃん」運動と、「子育て支援家庭訪問」が成功を収めるように、ここにHFA の12重大原則を紹介したいと思います。

重大原則第1:家庭訪問サービスを誕生前か誕生時に開始すること。
この時期の親は誰でも育児に対する不安があるので、育児の情報や支援を一番受け入れやすいし、このときに親のニーズに応えることで長期にわたる信頼関係が築けるとして、オレゴン州でも産院や保健所から照会された家族には誕生前からサービスを実施しています。

重大原則第2:最も支援を必要としている家族を見つけるのに一貫した評価方式を使用すること。
 オレゴン州などでは予算の関係で、全部の赤ちゃんに長期にわたる支援ができないので、サービスの焦点を第一子に絞っています。まず第一子全員に誕生時に地域からのプレゼントを持って「ようこそ赤ちゃん訪問」を行い、プレゼントの説明や子育て教室などの地域資源の情報を与えると同時に「ふるい分け」の質問をします。お母さんの年齢(17才以下だと自動的に継続支援の対象になります)、婚姻状況(結婚、未婚、未亡人、離婚など)、産後鬱・精神疾患の有無、一緒に住んでいる人たちがいるか、その人たちとの関係が「良いが3、まあまあが2、いつも喧嘩しているが1」、経済状況(オレゴン州保険に入っていたら貧困家族とわかる)などで二つ以上懸念する点があったら「継続支援家庭訪問」プログラムを提供します。

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