|気づきの対話 top
第四回目のテーマは、「エモーショナル・リテラシー」
薬物依存症の回復者で治療共同体のアミティの創設者のナヤ・ア−ビターさんとの対話です。
   
  | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |  
続き4・・・
ナ ヤ:

そうですね。たとえば、薬物依存症の人やアルコール依存症の人は、人との関係とか、それ以外の自然の中で、今自分が生きている中で幸せにはなれないと思っている人たちです。だからこそ薬物やお酒とか、物質的なものに依存してしまうわけですよね。
 今までずっと感情的なサンクチュアリの話をしたけれども、もう1つ、サンクチュアリには、環境的な意味もあります。日本の京都に行って、お寺巡りをしましたが、環境面でも非常にサンクチュアリのある場所だと思います。
たとえば、グループをするときに、イスが汚く並べてあって雑多なところでやるのではなくて、落ち着いた所でやるとか。お金をかけたりする必要はなくて、みんなが落ち着いて気持ちよくできる語りあう場所さえあればいいと思います。
いずれにせよ、人がたくさん行き交う場所ではなく、みんなが落ち着ける場所。そういう意味でのサンクチュアリも必要です。

アミティ本部の敷地内。
どこにいても自然との一体感を感じる。
朝や夜、ミーティングを行う「ベアホール」

人は生き方を変えられる
箱 崎 : 今の法制度は、厳罰的なアプローチですが、回復的なアプローチへと変わってほしいと思います。修復不可能と思われる終身刑のライファーズが、生き直すことができるということは、人はみんな変わることができて、生き直すことができる、というメッセーがあると思いました。アミティはそのようなことを伝えたいのですか?
ナ ヤ: 正直に言いますと、全員が変われるということではありません。私でさえどうしていいのかわからない人はいます。ただアミティに来る人に関して言えば、社会にとって、「毒」と言われている多くの人たちが人生の生き方を変えることはできる、というメッセージはあると思いますよ。
レイエスへのアプローチは、レイエスだけを変えようとするとか、彼の人生を良くしようするだけでなく、彼が変わることによって次の世代、社会自体がより安全になると思います。
たとえば、海の一番下の底にいる魚をすくいあげることによって、より真ん中にいる魚を捕まえやすくなる。上澄みの魚だけを捕まえるのではなくて。まず下から、下というのは、言い換えれば社会の中で底辺にいる人たちと考えられるかも知れません。

次ページへ
  | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |  
   
 
COPYRIGHT(C)2006 ORANGE RIBBON-NET & THE ANNE FUNDS PROJECT ALL RIGHTS RESERVED.