(4)
大阪府養育里親
渡邊 守
・・続き4

●私の基礎を築いた母と先生
 限られた文章のなかで、私の子ども期を十分に振りかえることは出来ない。静岡、千葉、沖縄のどの地域にいても、ここには書ききれないほどの多くの出会いがあり、多くの人々の犠牲と支えによって今の私がいることは間違いない。一方で、ここで述べた2人の人物、“母と小学校一年時の担任の先生”が『私』の基礎をかためてくれていなかったら、それ以外の多くの人々との出会いや犠牲は、異なった影響を私に与えていたかもしれない。

 いじめの経験は私の心の深い部分に20年近く隠れて居座り、父との関わりの薄さは今でも私の父性の欠如という欠点として残っている。ネガティブな点を挙げればきりがない。  
 しかし、それらはこれからの経験や出会い、そして学習することで乗り越えていくこともできるだろう。 

 私が心から幸運だと思えるのは、そういったネガティブなことでさえも乗り越えようと思える、それに値すると信じることができる経験を、幼い頃にすることができたことだ。この幸運が、当たり前のように全ての子どもたちの経験として共感されるようになってほしい。私の幸運な子ども期を振り返る度に、そう願わずにはいられない。

(了)




子ども虐待防止
の情報
「モンスター」全18巻 浦沢直樹 小学館
「The Truth is Longer Than a Lie」Neerosh Mudaly and Chris Goddard JKP




セルフケア
妻に褒めてもらうこと:
ひと様から褒めていただいても、リップサービスの部分が大きいだろうし傲慢にもなりかねないのですが、自分の欠点を一番間近で知っている妻からたまに褒められると、こころから嬉しく安らかな気持ちになります。(これは厳密にはセルフではありませんね)

叫ぶ:
年に何度か、過去の自分の恥ずかしい失敗について思い出して恥ずかしさに耐えられなくなったとき、自家用車の中で大声で叫びます。すっきりとすると同時に、ちょっと恥ずかしくて冷静になれます。

☆プロフィール
渡邊 守(わたなべ まもる)

北海道生まれ、静岡・千葉・沖縄育ち。現在は妻と里親として生活(子ども一人受託中)
学生生活を終えてから約8年一般企業での営業職を経て、無謀にも妻と二人でオーストラリアの大学院へ入学を試み、なんとか目標を達成し2005年に帰国。その後2006年に里親登録し、里親としての活動を続けながら、学業とIFCO(国際フォスターケア機構http://www.ifco.info/)の活動の両立を、妻の支えによって現在まで続けている。 

1   |   2  |  3  |  4
    ←戻る |次へ→|上へ
 
COPYRIGHT(C)2006 ORANGE RIBBON-NET & THE ANNE FUNDS PROJECT ALL RIGHTS RESERVED.