幼少の里子たちは、1年から2年の間に親元に戻されなければ、養子縁組や後見人などの制度を使って、里親や親族に永久的にケアされる。年長の里子たちに決定的に不足しているのが、このパーマネンシーである。まず、12歳を過ぎると、養子縁組されるチャンスは半減する。年長のユースたちも小さな里子たちと同じように、自分を見守り、愛情を注いでくれる、永遠的な人間関係と家庭環境を望んでいる。ギリガンが言うように「自分を支えてくれる人間がいつもいる」という実感は誰にでも、いくつになっても必要なのだ。
「フォスターユースたちにパーマネンシーを」というスローガンを掲げて、近年、十代の里子たちにも養子縁組や後見人を推進する動きが全米に広がった。前述したように、サポートなしにシステムを離れて、失業したりホームレスになったり犯罪に走るユースがあまりにも多いためだ。
カリフォルニア・ユース・コネクション(CYC)はフォスターユースとその擁護者からなる団体で、会員たちはロビイストとして政府に直接働きかけて、フォスターユースに関する政策の開発と法律の改正を目的に運動を続けてきた。下院法案1412も彼らの生み出したカリフォルニアの州条例だ。
これは、もしもフォスターユースにアダプティブ・ペアレント(養子関係の親)が見つからない場合、最低限、そのユースにひとりの大人、確実で持続性のある関係を今後保っていける、信用の持てる大人の援助なしには、ソーシャルワーカーは子どもをシステムから正式に切り離すことができなくするものだ。「信用の抱ける大人」とは、親族だけに限らない。学校の教師や、もと里親、スポーツチームのコーチ、地域の教会のユースグループのリーダーなど、様々だ。
この法案は州知事によって2005年に調印され、彼らはその後も次々に、ユースの権利や生活向上のための法案を可決させていった。CYCの活動を手本にして、各地で18歳を目の前にするユースたち、また成人した元ユースたちが結集し、自らの自立のための活動を展開している。
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