思春期の劣等感と自己肯定感 (2)
親業インストラクター
瀬川 文子



虐待防止に
つながる情報


〜親業初の絵本「ママがおこるとかなしいの」(金の星社)〜
 私は、親業(P.E.T)というコミュニケーション訓練のプログラムを伝えるインストラクターという仕事をしています。この親業はアメリカの臨床心理学者トマス・ゴードン博士が考案したプログラムです。親と子がより豊かに、温かく、お互いに分かり合える関係になるためには、どのようなコミュニケーションを取ったらよいのかを理論だけでなく、ロールプレイを通して具体的に学べます。

  親は愛情からたくさんのことを子どもに伝えたい、きちっと躾けたい、良い子に育てたいと一生懸命関わります。しかし、その思いや愛情が一方的になりやすく、「〜しなさい」「〜してはいけません」というような語りかけが多いコミュニケーションになりがちです。
   温かな感情が入らないこのような語りかけが、365日繰り返されれば、言われたからやる、言われなければやらないというような自主性のない子どもが育ったり、子ども自身も他者に対して一方的な言葉かけしかできないような可能性も高くなります。人の気持ちを感じて動く「感動」もなく、思いやりも育ちません。
   子どもは、大人をモデルにコミュニケーションの取り方を学ぶのです。だから、親子のコミュニケーションは何よりも大切だと思うのです。

  そこで、親と子で一緒にコミュニケーションの大切を学ぶきっかけになる本が欲しいと何年も考えていました。それが、2006年8月に実現しました。金の星社から初の親業絵本を出版していただけることになったのです。「ママがおこるとかなしいの」は、お蔭様で大好評です。この絵本を読んでくださった方からたくさんの感想を頂いています。

  「私も、心の奥の奥にある気もちを話してみようと思います」「読みながら、親としての自分を反省しました」「子どもだけでなく、大人も心の声を言葉にすることが大切だと思いました」「絵本を読みながら涙が止まりませんでした」「ママに魔法の耳を思い出してほしいです」・・・・

 子どもたちの心の声を受け止めることができる大人を増やしたいです。この絵本がたくさんの大人や子どもたちに届くことを心から願っています。




 
☆プロフィール
瀬川 文子(せがわ ふみこ)

東京生まれ、横浜育ち
日本航空スチュワーデスとして14年間国際線勤務の後、結婚のため退社
1998年にコミュニケーション訓練のプログラム「親業」の指導員資格を取得

2002年には、CAP(子どもへの暴力防止プログラム)スペシャリストの資格取得

親子関係、人間関係がより豊かで、温かなものになるよう講演、講座、執筆などを通して、活躍中

著書「ほのぼの母業 のびのび父業」「聞く・話す あなたの心 私の気もち」(元就出版社) 
「ファミリーレッスン 愛を伝える魔法のコミュニケーション」(合同出版)
ホームページ http://homepage1.nifty.com/awa-oyagyo/
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