怒りの奥底にある深い哀しみと淋しさ (4)
オレンジリボンネット管理人 
箱崎 幸恵 



虐待防止に
つながる情報


「自己信頼(セルフ・エスティーム)」
 「私自身を信頼しよう」と、いつも自分に言い聞かせている。信頼するアディクションカウンセラーから、セルフ・エスティームとは、「真に自分を愛し、真に自分に価値を与えること。一番大切なのは、自分のセルフ・エスティームは、自分で築くこと」と、教わった。自分のセルフ・エスティームが他者の手にあるとき、自分のセルフ・エスティームを放棄していることになる。それは自分自身を失っている状態である。
子どもはごく幼少のときから、セルフ・エスティームを築き始める。子どもがセルフ・エスティームを築くために大切なことは、次の5つ。

(1)「子どもが感情表現するときに、勇気づけて励ます」
 大人が感情表現をして、子どもに感情表現してもいいと、お手本を見せる。
 子どもにリアルな大人の姿を示すことで、子どもに自分のありのままの感情を
 表現していいと伝える。
(2)「子どもに非難や強迫する言葉は言わない」
 子どもに自己否定感を植えつける言葉や行動は慎む。
 その代わりに、子どもがしたことに対して、“あなたが○○したとき、私は○○と
 感じた”と、子どもに自分の正直な気持ちを伝える。
(3)「子どもが自分で問題を解決できるよう応援する」
 子どもと一緒に考えて、子どもにたくさんのアイデアを出してもらい、
 いろんな解決方法を共に探す。
(4)「子どもを褒めて、喜ぶことをする」
   子どもが感情を表現できたときなど、その勇気を讃える。
(5)「子どもが自立心の感覚を育めるよう支援する」
 子どもが自分の力で歩き始めたとき、勇気づける。
 子どもに必要な情報を与えることも大切。
   
 これを子どもに対して行うと同時に、大人が自分の中にいる小さな子ども(インナーチャイルド)にも行う。それが最も大事な点だ。大人が自分を信頼しているとき、子どもを信頼することができる。子どもは自分が信頼されていると感じるとき、他者を信頼することができる。信頼は連鎖する。






セルフケア
「ゴスペル、アロマケア、12ステップミーティング」
 私は地元の教会で、週に1回、ゴスペルを歌いに行く。全身で讃美するとき、自分とつながり、仲間たちとつながり、天とつながる。すると、疲れや不安も吹っ飛ぶ。
 1ヶ月に1度か2度、2時間かけて、アロマオイルで全身をマッサージしてもらう。ハーブの香りが体と心のコリをゆっくりとほぐしてくれる。
 定期的に仲間とのわかち合いの場、12ステップミーティングに足を運ぶ。仲間が自分を語るとき、私に気づきを与えてくれる。私が自分を語るとき、私に気づきを与えてくれる。
 

☆プロフィール
箱崎 幸恵(はこざき ゆきえ)

 1965年、東京生まれ。出版社勤務などを経て、フリーランスで雑誌編集や執筆活動を行う。平行して、学童クラブで働くなど、子どもとも関わり続ける。乳がん体験を機に、医療と児童福祉をテーマに取材を行い、雑誌に記事を執筆するようになる。
朝日新聞の取材で出会ったNPO「ティーンズポスト」のレターカウンセラーとして8年間、自分自身の心と向き合いながら、手紙を通して、虐待やいじめなどに苦しむ10代の子どもたちの気持ちを受けとめた。
2003年6月に出版された、カナダ人の性虐待の専門家、リンダ・ハリディ=サムナ−の著書、『リンダの祈り〜性虐待というトラウマからあなたを救うために〜』(集英社)では、構成と監訳を担当した。
 現在は、子ども虐待防止のオレンジリボンネットの管理人、里親子支援アン基金プロジェクトの理事を務める。
また、ある子ども虐待死事件の裁判に深く関わり、加害者である母親と拘置所で面会を続け、その後、控訴審の意見書を書いた。この経験から、母子支援の真の在り方を探求し、支援が必要な母子が心の手あてをしながら、セルフ・エスティームを育み、自立の準備をするステップハウス開設の構想を練っている。


3歳で、すでにオレンジリボンをつけてる??
  123|4
←戻る上へ↑
 
COPYRIGHT(C)2006 ORANGE RIBBON-NET & THE ANNE FUNDS PROJECT ALL RIGHTS RESERVED.