ドキュメンタリー映画『アヒルの子』が、ポレポレ東中野にて、公開されました。
「家族」がテーマの話題作です。お見逃しのないように!
 
   
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上映までの5年間
小 野 : 芹沢さんとの出会いがなければ、映画は完成しなかった。自分の生きづらさをどこに投げていいの かわからなかった。芹沢さんの話から、「家族」がキーワードだって気づきました。自分の中の家族 の幻想を壊したい、と思いました。芹沢さんの著書、『「新しい家族」のつくりかた』を読んで、新しい家族をどうつくっていくのかが自分のテーマになりました。

映画ができてから上映までに5年の時間がかかりました。姉から、兄のシーンを外してほしいと言われました。家族の中で、映画の話ができなくなって・・・。でも、兄に子どもができて、父が病気になって、家族の変化が起きてきた。 私はずっといい子を演じてきて、「これが私」というのが全然見えなかった。映画を通して、私を発見して話せるようになりました。

石本さんの言ったことですけれど、今でも、人にどう思われるか気になる。今回も映画の上映にあたって、スタッフにいろいろやってもらって悪いなって思ってしまう。人に、映画を委ねるのが、難しい。人への信頼感がないのかもって思うことがある。映画を撮った後も、99パーセント変わらない自分がある。でも1パーセントは変わった。
映画を撮る時は、生きるか死ぬかわからない状況だった。映画を撮って、ここからまた始まるのだと思います。
芹 沢: この映画は、計算してやっていない。この映画を撮ることで、もう1回、家族をつくり直す働きをしたかと思う。観終わった後の爽やかさがそこにある。
こんなに映画の中で泣く人を見たことがないねー。
映画のタイトルの『アヒルの子』というのは、アンデルセンの「みにくいアヒルの子」から来ているのかなと思った。アヒルの人形が画面ですごく活きている。
映画の中で、父親と母親はひと言も「ごめんなさい」と言えない。その難しさを感じる。僕は言ったけれども・・・。映画の中でそういうことがみんな見えてしまう。
 
小 野 : アンデルセンは大好きでよく読んでいました。でもそこからとったのではないです(笑)。姉にお前アヒルに似ていると言われて、自分でもそうだなって思って、アヒルの人形を自分で買っていました。それが100個ぐらいたまって押入れにしまってあって、今回、撮影に使いました。
撮影中、本当によく泣きましたね。でも人は安心できる場所でしか泣けないのかなって。映画を撮って、私のことをすべてわかってくれる人はいないって思いました。
長 井 : 原一男さんが、小野さんは映画を撮る前まで目に膜があって、映画を撮った後は、膜がなくなったと言っていました。気になったのは、小野さんが、長兄に向かって、「私は存在価値があるか?」と聞いた時に、長兄が「誰にとっての存在価値?」と言っていたこと。どうしたら、小野さんは幸せになれるのかな〜、どうすれば楽になれるのかな〜。
小 野 : 人にわかってほしいと思うけど、わかってくれるところと、わかってくれないところがあると思う。それでいいのかなって。
 

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