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私は愛されていた。過剰なくらいに・・・。 |
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特定非営利活動法人
緑の街
ミュージックフレンズ 理事長
土井 悦子 |
不意にこみ上げてきた思いに、私はあわてていました。なんでもない一言「あなたの子ども時代・・・」という言葉が、何十年も封印してきた自分の心のどこかをプッシュしたのでしょうか・・・。
いつも大人たちに気を使い、優等生であり続けるためのプレッシャーを抱えていた自分の子ども時代を思うとき、私の心は今でもざわつきます。
何を言われても反論しない、「温厚」な父。「仏様のような」といわれた父だが、裏を返せば、ただ「愚直」なだけだったかもしれない・・・そして、時代が時代なら、もっと自分を活かせる場があったかもしれない、激情的な母。あの時代、結婚する相手など選べる自由などなかった・・・それでも、その二人から私は生まれた。そして、両親から、それぞれの愛し方ではあったが、私は愛されていた。過剰なくらいに・・・。
両親にとって、特に、母にとっては、私がすべてだった。そして、「自分の子どもへの愛の深さ」という自信は、自分の行為がどんなに子どもを傷つけているかなど、思いも及ばないようだった・・・愛さえ深ければ、自分の分身である娘には、肉体的にも、精神的にも、何をやってもいいと思っているように見えた。母は他人にはともかく、父と私に対しては「感情をコントロールできない人」だった。
母の夢を一身に背負った一人っ子の私は、母にとって「手のかからない、ほんとにいい子」だった・・・・母に反論したことなど、思いつかない・・それは母の言い分を認めたわけではなく、もし少しでも反論すれば、恐ろしい結果(母が怒り狂うか、或いはショックのあまりおかしくなるかもしれないという恐怖)が待っているのがわかっていたから、とにかくすべてを心の中にしまいこんだのです。私の心が穏やかでいられるかどうかは、母の機嫌次第でした。
物心ついてから、先回りして、先回りして、大人の気持ちを読もうとしていた私。それは自分を守る為の必然の行為だったのです。
母からの呪縛から完全に解放されたのは、自分が母親になってからでした。この子たちを守らねばという気持ちが芽生えたとき、初めて、「母がいなくても、生きていける」という自信が生まれたのです。
結構キツイ子ども時代を過ごした私ですが、父が亡くなり、母とも遠くはなれて暮らす今、やっと冷静に母を見ることができるようになりました。あのころの母を受け入れることは出来ませんが、自分が母となり、子育てをする過程で、理解することは出来るようになったのです。
ただ、こんな経験をしているのだから反面教師として、素晴らしい母親になれると思っていたのに、母と似ている行動をとっている自分に気づき、愕然とすることがたびたびあり、落ち込むことの多い子育て時代でした。
母と違ったことは、私には話をちゃんと聞いてくれる伴侶がおり、友人がおり、そして又、努力すれば、子どもを通してのみの社会参加ではなくて、自分自身が直接社会に参加し、自分の居場所を社会の中に確保することが可能な時代でもあったことです。
今回、子ども時代を検証するチャンスをもらったことで、もう一度自分と母、自分と家族の関係を見つめ直すきっかけとなりました。
現在、田舎で1人暮らしをしている母ですが、80歳になった現在でも「娘に頼ろう」というそぶりは、少なくとも表面的には全然見せません・・・・それはそれで寂しいですが、今は、その母の生き方を受け入れ、尊敬さえ感じています。そんな母を「娘への負い目を感じさせないで、見守る」方法としてはじめた、故郷でのコンサート開催も、今年で11年目を迎えました。口では文句をいいながらも、年に一度の娘のイベントを結構楽しみにしているらしい母とは、この頃人生の「同志」という思いを強くしています。
虐待防止に
つながる情報
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子どもを虐待する人と,踏みとどまる人との差は、ほんの紙一重です。「こんなに一生懸命、あなたのことを思ってがんばってるのに、どうしてわからないの!!」という気持ちが爆発するのは、夫との関係をはじめとして、自分の感情が不安定なときです。
子育てをしたことがある人なら、こんな体験必ず何回かはしているはずです。だから、私は、子育てをしているお母さんをはじめとする、保護者の心のゆとりこそが、虐待防止の何よりの抑止力となると信じています。保護者が楽しければ、子どもも楽しい!そしてみんなが楽しんでくれれば、何より自分自身が楽しい!!その思いを形にした活動の一つが「未就学児と保護者のためのミニコンサート」です。コンサートの情報はホームページに掲載しています。(直近は板橋区で11月3日!!) |
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セルフケア |
数年前からテニスから転向して始めたバトミントンが、一番のストレス発散
です。マンションの敷地内にある、区立の小学校の体育館で、週1〜2回、夜の1〜2時間、思い切り汗をかいています。1年前からはジムにも通って、身体のメンテナンスに気を使っています。そして趣味は・・・仕事とだぶりますが、クラシック音楽。私の活動の原動力でもある、私の好きな曲の中から2曲紹介しましょう。「ベートーベンのピアノソナタ第8番ハ短調 作品13<悲愴>」
この曲を弾きたいためにがんばって練習した、多感な時代の自分を思い出す
曲です。この2楽章のはじめの一音を聴くと今でも涙が溢れます。「プーランクのクラリネットソナタ」。私の音楽活動に大きな影響を与えた、クラリネットの名手、生島さんとの出会いの曲であり、私に、感動する心が残っていることを教えてくれた曲です。 |
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「2006年1月に行った念願の「モーツアルト聖誕祭」での前夜祭でのひとこま」 |
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