東京の三鷹駅から歩いてすぐのところに、絵本屋「プーの森」があります。店長の野村羊子さんは、絵本を通して、お母さんや子どもたちの心に寄り添ってきました。野村さんにお願いして、大人と子どもに向けて、毎月テーマにあった、お薦めの絵本や書籍を紹介してもらうことになりました。どれも手にとってみたくなります。一緒に絵本の扉を開けてみませんか?
今月のテーマ「気持ち」
December-2006
 「気持ち」ってとってもむずかしいですね。誰だって、つらいこと、かなしいことはいや。でも、だからって感じないように抑えつけてしまうと、今度はうれしいとか楽しいということも感じなくなってしまいます。だから、自分の気持ちに気づいてあげることってとっても大事なんですね。
 気持ちにきづく、感情を感じる、イコール爆発ではありません。抑えつけているから爆発しちゃう。そうすると、そんな自分が嫌になって、また抑えこんでしまう。その繰り返し。でもちゃんと感じて気づいていたら、ちゃんと表現もできるようになります。穏やかにしていても怒りは表現できるんです。どうしたら?っていう人におすすめの本をご紹介します。
「だめよ、デイビッド!」
デイビッド・シャノンさく 小川仁央訳 
評論社


 デイビッドのママはいつも言います。だめよ、デイビッドって。書かれている言葉はママのしかり声のみ。絵を見るとデイビッドが、泥だらけでジュータンを汚したり、お風呂のお湯をあふれさせたり、次々にいろんなことをやらかしています。デイビッドのママでなくても怒鳴りたくなる?でも、最後でママはしょげているデイビッドをしっかり抱きしめます。好奇心とエネルギーにあふれた子はその気がなくても叱られることをしてしまいます。叱っても怒鳴っても、しっかり抱きしめてあげるられるといいですよね。
「自分を好きになる本」
パット・パルマー著 eqPress訳
広瀬弦画 径書房 1991年刊 1575円


 自分を好きになる、ってむずかしいことではありません、この本によれば。まずは、自分の大好きなことをしてみる。自分の得意なこと、好きなことを探してみる。それから、自分の気持ちに気づく。自分がどんな気持ちかを話してみる、などなど。やっぱりむずかしそう?本文の下の方に、小さな文字でゲームやワークが書いてあります。やってみましょうか。やらずに読み進めてもいいですよ。この本を読んだこと、それがあなたが自分を好きになるためのスタートなのですから。
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「ぼくのきもち わかってね」
しってるかな からだのふしぎ
むかいながまさ作 監修・玉木ミヨ子/竹内登美子 童心社 1995年(現在品切れ


  ケンちゃんはお腹が痛いとぐずぐずしています。お医者さんはどこも悪くないといいました。そこでお母さんは、ケンちゃんに添い寝して聞いてみることにしました。すると、ケンちゃんは泣き出して、、、。人はつらいことがあっても、それを押しこめていると、体に症状が出てくることがあります。子どもは特にそうです。安心して話せる場、受け止めてくれる人がいて、気持ちや感情を出せたら、それだけで違ってきます。時間をたっぷりとって聞いてみましょうか。
「おかあさんがもっと自分を好きになる本〜子育てがラクになる自己尊重トレーニング〜」新装版
北村年子 学陽書房 2003年刊 1470円


 自分のいいところを探してほめる、子どものいいところをほめる。家族や友だちといい関係をつくり、自分のいいたいことを率直に言う練習をしてみる。体ほぐしから始まるいっぱいのワークをていねいにやってみるといろいろな発見があれこれあるでしょう。自分に優しくなれれば、肩の力が抜けて、子育てが楽になるようです。いいかげんなママでもいいんですよね。ママ自身が抱きしめられる、そんなことも大事にしたいと思わせてくれます。
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