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感情を表現することは大切なことです。今の社会は、感情を出すことを禁じていて、私 たちは子どもの頃から、感情を出すことを止められてきました。それで、子どもたちにも我慢しろと言ってしまいます。だから、何度言っても言い足りないくらいなので、繰り返し言います。感情を出すことは大事なことです。
特に、「泣く」事は、傷ついた心を癒してくれます。悲しみを和らげ、怒りや悔しさにふ
るえる心を落ち着かせ、痛みを消してくれるのです。しっかり泣きたいだけ泣くと、人は次に一歩を踏み出せるものです。
安心して「泣く」ことができれば、人はずいぶんと楽になります。子どもたちは本能的にそれを知っているから、自分の心の傷を癒すために泣くのでしょう。→
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→ 6年生の女の子がいつも同じ本を読んでは泣いているので、お母さんは読まなければいいのにと思っていたそうです。実はその子は、学校で自分でも知らずに、必要以上に頑張っていたのです。本を読んで泣くことで、自分を癒そうとしていたのでしょう。なんとかしこいのでしょう。
泣きたいときは、泣きましょう。以前ご紹介したパット・パルマーのシリーズ「泣こう」(径書房)も参考になると思います。
でも、一人で泣くよりも、ただ黙って寄り添って泣かせてくれる人がいれば、自分を癒す作業がもっと楽にできます。そういうことが出来る場が、もっともっとあるといいなと思います。
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「くうちゃんがないた」
みなみくうくう
アリス館
「くうちゃんが ないてるよ」。じわっと涙を流したかと思うと大泣きに泣いて、その後は笑ってる。あかちゃんの様子をやわらかいガラス絵で描いています。赤ちゃんが泣くことさえ許してくれないような空気の中で、こういう風におおらかに泣いている赤ちゃんと見ていられるといいなあと思います。
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