東京の三鷹駅から歩いてすぐのところに、絵本屋「プーの森」があります。店長の野村羊子さんは、絵本を通して、お母さんや子どもたちの心に寄り添ってきました。野村さんにお願いして、大人と子どもに向けて、毎月テーマにあった、お薦めの絵本や書籍を紹介してもらうことになりました。どれも手にとってみたくなります。一緒に絵本の扉を開けてみませんか?
今月のテーマ
「 うれしい」
April-2008
  うれしい時って、どんな時でしょう。おいしいものを食べたとき?なくしたものを見つけたときかしら。それとも思いがかなったとき?ほめられたときでしょうか。

 うれしい時はどうしましょうか。笑う?歌う?踊り出す?みんなにふれ回りますか?それとも、じっとうれしさをかみしめる?
密かな喜びもあるけれど、うれしい気持ちを分かち合えると、うれしさが倍増する気が来ませんか。特に子どもたちは、気持ちを隠しておくことが出来ません。いっしょにうれしい気持ちを抱きしめ合えるといいですよね。

 うれしい気持ちを伝えあい、受けとめ合えると、親密感はより増していくでしょう。

「いっしょってうれしいな」
シャーロット ゾロトウ 文 
みらい なな 訳 
カレン ギュンダシャイマー 絵 
童話屋

 毎日が、うれしいことでいっぱいの小さな男の子。なんといってもうれしいのは、かあさんといっしょということ。リズミカルな文章でうれしさを簡潔に伝えてくれます。
 子どもの成長を描くゾロトウ、「いまがたのしいもん」「あたらしいぼく」などもおすすめです。

「わたしとあそんで」
マリー・ホール・エッツぶん/え 
よだじゅんいち やく 
福音館書店 

  わたしがはらっぱにいって、「あそびましょ」とつかまえようとすると、ばったもかえるもりすもうさぎも、みんな逃げていってしまいました。
そこで、池の畔にじーっと座っていると、、、。大人がみるともの悲しいような寂しいような気がする絵本ですが、静かな遊びを好む子どもたちの心をとらえる絵本です。

「おおきなふかいくらやみ」
ジョン・プレイター さく 
山口文生 やく 評論社 

  冬のある朝、チヌーはパパとママと海に行くことに。もう朝なのに暗いので、ランタンをかざして歩くチヌー。違う足跡を見つけては、くまの子やオオカミのこと遊ぼうとしますが、「おくれるよ」と急かされます。海にたどり着いてチヌーが見たのは、数ヶ月ぶりのお日様!ようやく待っていた明るさが戻ってきたうれしさ。動物たちも、パパもママもうれしそうです。
 自然のダイナミックスの中で暮らしている人々は、特に自然の恵みに敏感です。お日様の暖かさ、月の輝き、そういうものをうれしいと感じる暮らしを伝えてくれます。
 
「うれしいがいっぱい」
作・新沢としひこ 絵・大島妙子 
ひかりのくに 

  ももこの提案で、さとるのつくった泥団子の花壇に、みちるが花の種をまいた。花が咲いてうれしくなったら、はじめが大きなホットケーキをつくり、それを食べてうれしくなったりさこが、、、。うれしいから、得意なことでみんなにうれしいことをしてあげる。うれしい気持ちがいっぱいいっぱい広がっていく。「うれしいがいっぱい」の歌を絵本にしました。
「どろんこハリー」
ジーン・ジオン ぶん 
マーガレット・ブロイ・グレアム え 
わたなべしげお ぶん 福音館書店

  黒いブチのある白い犬のハリーは、お風呂が大嫌い。ブラシを庭に埋めて逃げ出します。さんざん遊んで真っ黒になって帰ると、家の人たちはハリーとわかりません。お風呂に飛び込んで洗ってもらって、ようやくわかってもらえました。
 子どもたちの冒険心をくすぐり、好き放題遊んだ後も、しっかり受け入れてもらえるうれしさを十二分に表現している絵本です。発売以来40年以上たっていますが、いまだに子どもたちが読んでもらってうれしがる絵本の一つです。
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