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楽しい、と思えるのはどんなときでしょうか。夢中になっているとき。五感をフルに動かしているとき。一緒に笑い合っているとき。そして安心できるとき。
子どもたちが楽しいと思える瞬間をたくさんつくってあげたい。大人が楽しいと思える時間のひとつひとつを大切にしたい。その瞬間の一粒一粒が、心の中にたまっていきます。それが心のよりどころ、心の支えになっていきます。
楽しいという思い、それは一刻かも知れないけれど、ささやかかもしれないけれど、かけがえのないものなのだと思います。
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「ねえ どっちがすき?」
作: 安江リエ 絵: 降矢なな
福音館書店
ねえ、どっちがすき? ぴっかり めだまやき と ほっこり たまごやき」。
風と雨、ダンスと歌、ブランコとすべり台。どちらも小さな子どもが好きそうなものが並べられます。どっちがすき?子どもと聞き合ってください。どうして?子どもならではの回答が楽しめます。好きなもののことを考えるのはとっても楽しい時間ですよね。
最後はウィンナーとハンバーグ。どっちも好き!ずるーい?いえいえ、二者択一をせまられても、両方選び取っていい時ってあるんです。大好きなものは、全部大好きなままでいいんですよ。
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「ねえ、どれがいい?」
作: ジョン・バーニンガム
訳: まつかわまゆみ 評論社
こちらは、究極の選択を迫られます。たとえば、「ジャムだらけになるのとさ、犬に引っぱられてドロンコになるのとさ、水をかけられるのと どれがいい?」といった案配。
でも子どもたちには大うけ。どの場面も想像しては笑い転げ、どれを選ぶかで大さわぎ。理由を言い合ってはまた笑い転げ、更なる究極の選択を思いついてくれます。
あるいは、大人に問いかけて困らせてみては、また笑い、と周囲を巻き込んで楽しんでくれます。誰かを困らせてみる、それを上質なユーモアの中で、誰も傷つけることなく安心して体験できるこの絵本は、楽しみの本質の一面を味わわせてくれる優れものだと思います。
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