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信じることは、空気のように当たり前のこと、と言い切れたらどんなにいいでしょうか。でも、そうは言い切れない様々な体験を私たちはしてきています。成長の過程で得た「傷」が、そのままを信じること、見えないものを信じることを、難しくさせているのです。
現在は過去とは違うと分かっていても、努力して「信じる」ことを選ぶのは、困難が伴います。「不信」に打ち勝ち、「信じる」ことは大変勇気のいることだといえるでしょう。
見えないものを信じる力、それは、未来へ希望を持つこと、理想を信じることでもあります。恐怖や邪な気持ちではなく、「いつかはきっと」という光を信じる心を育み、共有しあえる関係をつくっていきたいなあと思います。
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「くじらの歌ごえ」
ダイアン・シェルダン/さく
ゲイリー・ブライズ/え
角野栄子/訳 BL出版
リリーは、おばあさんからくじらの話を聞きました。贈り物をしたおばあちゃんに、お返しをしてくれたくじらの話です。おじさんは役に立たない話だと言いますが、リリーはくじらに贈り物をします。
すると、月明かりの中、くじらは歌ってくれたのです。リリーの思いを十二分に表し、光を描き込んだ絵が印象的です。
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「ミリーのすてきなぼうし」
きたむらさとし 作・絵 BL出版
ミリーは帽子屋さんで見えないお金で見えない帽子を買いました。ミリーはとりどりの羽の帽子を想像してかぶり、ケーキの帽子、花の帽子と次々に帽子は形を変えていきます。すると、歩いている人がみんなそれぞれの帽子をかぶっていることに気がつきました。この場面は、それぞれがどんなことを考えながら歩いているかを見せてくれてとてもユニーク。最初の帽子屋さんと、ラストの両親とのやりとりも素敵。こんな風に「空想」にしっかりつきあってくれる大人は、本当に素敵です。
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