オレンジリボンは子どもの虐待防止・予防のシンボルとして、昨年誕生しました。
戦後の日本は、他に類を見ないほど、経済的にも国際的にも大きな発展をしてきました。しかし、こうして豊かになった日本にはいまだ成就できていないことがあります。それは子どもたちの権利を認めるということです。私たちの国では、生活や教育レベルなど多くの点で優れた発展をしてきたにもかかわらず、子どもが暮らす環境はいまだ充分には成熟していません。

  それでは、子どもは自ら自分たちの権利を訴え、勝ち取れる存在でしょうか? 選挙権もありません。世界のどこに子ども自身が権利を勝ち取ってきた国があるでしょうか? 子どもの権利を認めている国々は、周囲の大人達が、かつて自分も子どもであったと気づき、現在の子どもへの想像力を働かせることによって、子どもの存在を認めたのです。子どもはかけがえのない未来の希望であり、子どもにも意見を聞いてもらう権利があることを社会は認めました。そのことによって、より良い社会が築けると理解したからです。子どもも社会の一員です。
現在、増え続けている子どもへの虐待は、子どもを一人の人間として尊重していないことから起きています。残念ながら、私たちは時に、子どもたちを大人のもつ力でコントロールしようとしたり、支配してきたのではないでしょうか?

  子どもは、たとえ生後1、2ケ月の赤ん坊でも、自分を大切に扱ってくれる人を分別できます。人間関係の基準をきちんと持っています。赤ん坊だからといって、彼らの気持ちや要求を無視したり、ましてや彼らの存在を否定することがあってはならないのです。日本の社会において、子どもを、保護、指導、教育、しつけの対象としか考えないということは、子ども、すなわち人間が、本来持っているはずの尊厳を認めていないことにならないでしょうか?

  その大きな原因は、子ども時代に一人の人格として尊重されるのではなく、大人の都合だけが優先されるという理不尽さに翻弄されたことに対して、私たち大人が正面から向き合わず、自覚してこなかったからではないでしょうか?
オレンジリボンにはこの理不尽さにどうか気づいて欲しいという願いが込められています。言いかえれば、社会全体でこの理不尽さに向き合いましょう、という大きなメッセージなのです。オレンジリボンネットは『気持ちを分かち合いましょう。ひとりひとり、自分が過去や現在のありのままの気持ちに気づくことが子どもの虐待防止につながります』というメッセージを、みなさんに呼びかけるウェブサイトです。ぜひ、みなさんがこのウェブサイトを活用してくださり、少しでも子どもへの虐待がなくなることを心から願っています。

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