今夏、お薦めの映画2本を紹介します。
1本目は、2015年6月27日に公開された邦画『きみはいい子』です。 主人公は小学校の新米教師(高良健吾)です。教師という仕事にあまりやる気のなかった先生が子どもたちと関わるうちに変化していったり、子どもを育てることに苦しむ母親(尾野真千子)が、あるママ友と親しくなることで本当の感情を表出したり、いくつかのストーリーが展開されていきます。呉美保監督のまなざしは、子どもをとりまく厳しい現実を描写しながら、希望をもたらしてくれます。
原作は、作家の中脇初枝さんが2012年に発表した作品「きみはいい子」(第28回坪田譲治文学賞受賞)です。中脇さんは映画化に寄せて次のように話しています。「世界を救うことはできなくても、まわりのだれかを救うことは、きっと、だれにでもできると思うのです。 観終わったあと、そう信じられる映画です。 映画にしていただいたことで、たくさんの方にそう思ってもらって、今度は、観てくださったあなたが、あなたの暮らす町の主人公になってくださることを、心から願っています」
この映画は、人と人の感情のつながりを感じ、希望を感じられる映画です。
2本目は、『インサイド・ヘッド』です。 デイズニー・ピクサーの新作のアニメーション映画です。今年の夏休みに合わせるかのように、2015年月7月18日に公開され、大ヒット中です。
この映画のテーマは、「感情」です。11歳の女の子の頭の中にいる感情たちが主人公の映画です。ヨロコビやカナシミなどの感情たちがキャラクターとなって、女の子の人生にいろいろな影響を及ぼしていきます。感情はすべての人にとって、生きていくうえで、とっても大切なものだということを、わかりやすく楽しく、そしてちょっぴり切なく伝える内容で、予想以上にいい映画でした。
ディズニー映画で「感情」をテーマにしたアニメーション映画が上映されるとは・・・。2008年に、「生きづらさから自由になる 気持ちのキセキ」を出版し、この絵本を使って、感情をテーマに、児童養護施設や被災地の小・中学校、そして、児童養護施設や里親家庭で育った子どもたちの自立のためのプログラムを行ってきた私としては、感慨深いものがあります。
この映画を観て、子どもや大人に、感情がどれほど大切であるかということ伝えていくことの必要性を改めて強く感じ、行動していきたい気持ちが一層増しました。
オレンジリボンネット管理人 箱崎幸恵