おススメのドキュメンタリー映画、セクシュアル・マイノリティーの8人の物語『恋とボルバキア』

皆様に観ていただきたいドキュメンタリー映画を紹介させていただきます。現在、公開中のドキュメンタリー映画『恋とボルバキア』です。多くの人に高く評価され大変話題になっています。

小野さやか監督による新作映画です。小野監督のデビュー作『アヒルの子』を観たときの衝撃は忘れられません。セルフドキュメンタリーである同映画で、小野監督自身が自分の家族1人1人に闘いを挑み、家族を壊していく姿に心がとても揺さぶられました。家族に立ち向かい、自分に向き合っていくことでしか、自分が生き延びる道はない。もうそれしかないんだと挑んでいく小野監督の姿に強く胸を打たれました。そして、この映画を通して出会った小野監督の次回作をずっと待ち望んでいました。

7年を経て、完成したのが新作映画『恋とボルバキア』です。ボルバキアとは、宿主を性転換させる共生バクテリアの一種のことです。同映画では、LGBTQ、セクシュアル・マイノリティーの8人が、生きづらさを抱えながら生きる日常の姿、恋愛に傷つきもがく姿がスクリーンにありありと映し出され、圧倒されます。もはや、LGBTQという枠を超え、自分を生きるって、人を愛するってどういうことだと思ってる?と、観る側に迫ってきます。登場人物の「自分を本当にわかっている人って、本当にいるのかな」という言葉が直球でこちらに飛んできます。愛おしくて尊さを感じる凄い映画です。精神的に一度死に、『アヒルの子』を撮ったことで自らを蘇らせた小野さやか監督だからこそ、登場人物が小野監督の正直さに正直さで応えていく対話が紡がれてゆき、『恋とボルバキア』が完成したのだと思います。きっと観た方々の心にさまざまな感情を呼び起こすことでしょう。是非、ご覧いただけたらと思います。(オレンジリボンネット管理人 箱崎幸恵)

『恋とボルバキア』公式サイト http://koi-wol.com/